はじめに
今回は不偏性について見ていきましょう。
不偏性は母数の推定のために欠かせない性質になりますので、ここで理解しておきましょう!
不偏性
不偏性とは結論から言うと
「平均的には母数と一致する」
すなわち
「母数からの偏りがない」
という性質になります。
ある母集団から一部抽出された標本があったとします。
ここでもう一度同じようにその母集団から標本を抽出したとします。
同じことをさらに何度も繰り返します。

こうして得られる標本というのは毎回まったく同じ標本というわけではなく抽出する度に変動します。
だとすると手元に得られた標本を元に計算される平均や分散を
母集団の平均や分散の推定にそのまま使うというのは少々勇気がいります。
標本は変動してしまうので、いま手元にある標本は、たまたまとても稀な標本となってしまっている可能性だってあるわけです。
そんな稀な標本の平均をもって母集団の平均を推定すると推定の精度がぶれてしまう可能性がありますよね!
そのような悩ましい状態の助けとなるのが不偏性です。
確かに標本は変動するのだけれども
標本を抽出して計算される値が(何度もそれを繰り返したときに)
平均的には母数と一致することが期待される
という性質を不偏性といいます。
不偏性を頼りに点推定
この不偏性という性質をもった値であれば
必ず母数と一致するとは決して言えないけれど
少なくとも期待値的には母数と一致する…
ということは言えるようになります。
このような不偏性の性質を用いて
不偏性があるということを頼りに
その値を母数の点推定に用いることができます。
期待値的には一致すると言ったって、あくまで期待値的な話であって、期待とは異なることだって十分にあります。
だから少々この理屈って言うのは強引にも感じられると思うんですよね。
この点については区間推定という方法で確率的に解決していくことになるのですが、
今の段階では不偏性という性質があれば点推定にはまあ使えるなということを理解しておきましょう!
※ちなみに不偏性の他にも一致性といった母数の推定に用いるために留意すべき指標がいくつかあるのですが、まずは一番重要なこの不偏性だけ理解しておけばよいかと思います。
まとめ
最後に今回の記事のポイントを整理します。
- 不偏性とは平均的には母数と一致すると期待されるという性質
- 不偏性があれば母数の点推定に使える(他にも一致性などの性質も考慮する必要があります)
今回も最後までご覧いただきありがとうございました!

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