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統計学おすすめ書籍12冊 | はじめて統計学を学ぶ人向け

この記事では統計学の基本を学ぶのにおすすめの本を紹介していきます!

  • 統計学の本って多すぎ…。どれを選べばいいの?
  • それなりに高価だし無駄にしたくない!
  • 難しすぎて挫折するかも…
  • あれもこれも読みたいけど全部は読む時間がない!

といった悩みのある方におすすめの記事です!

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文系出身データアナリストのtotaです!初心者の方にもおすすめな書籍を紹介していきます!

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統計検定®2級合格を独学で目指す方のためのサイト『統計BASE』を公開しました!
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『統計BASE』:htts://toukeibase.jp

統計学の全体像

はじめに簡単に統計学の全体像を確認しておきましょう。

全体像を確認しておくことで、それぞれの書籍が統計学のどの範囲をどれくらいカバーしているのかを把握することができます!

統計学の全体像を確認するのにおすすめなのが統計検定の出題範囲表です。

統計検定2級の試験内容を見ると「大学基礎課程(1・2年次学部共通)で習得すべきこと」とあります。

具体的には以下の出題範囲表(統計検定HPより抜粋)が与えられています。

大項目 小項目
データソース 身近な統計(データソース、公的統計など)
データの分布 データの分布の記述(質的変数、量的変数、ヒストグラムなど)
1変数データ 中心傾向の指標(平均、中央値、最頻値)
散らばりなどの指標(分散、標準偏差、箱ひげ図、ジニ係数など)
中心と散らばりの活用(偏差、標準化、変動係数など)
2変数以上のデータ 散布図と相関(散布図、相関係数、共分散など)
カテゴリカルデータ(度数表、クロス表)
データの活用 単回帰と予測(最小二乗法、決定係数、回帰係数、標準誤差など)
時系列データの処理(成長率、幾何平均、系列相関など)
推測のためのデータ収集法 観察研究と実験研究(調査設計、母集団、標本、無作為抽出など)
標本調査と無作為抽出(標本サイズ、標本誤差、標本抽出法など)
実験(実験デザイン、フィッシャー3原則)
確率モデルの導入 確率(加法定理、条件付き確率、乗法定理、ベイズ定理)
確率変数(離散型・連続型確率変数、確率変数の期待値・分散など)
確率分布(二項分布、ポアソン分布、一様分布、正規分布など)
推測 標本分布(標本平均の性質、大数の法則、中心極限定理など)
推定(点推定、一致性、不偏性、信頼区間、区間推定など)
仮説検定(p値、帰無・対立仮説、両側・片側、第1・2種の過誤)
線形モデル 回帰分析(回帰係数の推定と検定、重回帰モデルなど)
実験計画の概念の理解(処理群と対照群、一元配置実験、F比など)
活用 統計ソフトウェアの活用(出力結果の活用など)

なかなかのボリュームです。

このあと紹介していく統計学の書籍の内容も踏まえ、上記をよりシンプルにまとめると

  1. 記述統計
  2. 確率論・確率分布
  3. 推定・検定
  4. 相関・回帰
  5. 分散・共分散分析

という大きく5分野…くらいに認識しておけばよいかと思います!

統計学入門レベルのおすすめ本

それではここから統計学のおすすめ書籍をご紹介していきます!

本ページをご覧いただいている方の多くはこれから統計学を学ぼうという方々かと思います。

なので、まずは読みやすい入門レベルのおすすめ書籍からご紹介します!

統計学は最強の学問である
 統計学ブームの火付け役となった書籍。2014年のビジネス書大賞を受賞しています。統計学の本当の魅力とパワフルさを著者の西内氏が読みやすい文章で解説してくださいます!
 ところどころに統計学の小ネタもあり「読み物」としてサクサクと読み進められます一方で、内容は統計学の本質に触れるものばかりで学び多き1冊でもあります!
 ビジネスと絡むような内容も多く、統計学を学びはじめるビジネスパーソンに1冊目としておすすめな書籍です。
おすすめ度
難易度
書籍名 統計学が最強の学問である
著者 西内 啓 氏
出版社 ダイヤモンド社
出版日 2013/1/24
ページ数 320ページ
目次 はじめに
第1章 なぜ統計学が最強の学問なのか?

第2章 サンプリングが情報コストを激減させる
第3章 誤差と因果関係が統計学のキモである
第4章 「ランダム化」という最強の武器
第5章 ランダム化ができなかったらどうするか?
第6章 統計家たちの仁義なき戦い
終章 巨人の肩に立つ方法
おわりに

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ゼロからわかる統計と確率
 科学雑誌Newtonの別冊(ムック本)です。Newtonは統計関係の特集本を複数出版しており、なかでもこちらの書籍は「広く浅く」で統計学をゼロから学ぼうという方におすすめの書籍です。
 特徴はオールカラーによる豊富な図解とイラストです。確率から相関・回帰、さらにはベイズ統計まで、統計学の幅広いトピックを取り上げてくれています。統計学にはどんなトピックがあるのかを知るのに最適な書籍です!
おすすめ度
難易度
書籍名 ゼロからわかる統計と確率 (ニュートンムック)
出版社 ニュートンプレス
出版日 2020/7/16
ページ数 170ページ
目次 イントロダクション
1 確率の基本
2 もっと知りたい! 確率
3 ランダムと乱数の奇妙な世界
4 統計の基本
5 もっと知りたい! 統計
6 ベイズ統計
7 IT統計学の基礎知識

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マンガでわかる統計学
 オーム社が出版するマンガで分かるシリーズです。主人公のルイちゃんがお父さんの会社の部下の山本クン(本当は五十嵐クンのハズだったのですが…)に統計学を教わる…というストーリです。
 読みやすいマンガのページに加えてしっかりとした解説のページがあり、なかなかの読み応えがある一冊です。ある程度は数式も理解しながらでないと腹落ち感がない…という方におすすめの書籍です!
おすすめ度
難易度
書籍名 マンガでわかる統計学
著者 高橋 信、トレンド・プロ
出版社 オーム社
出版日 2004/7/24
ページ数 215
目次 プロローグ トキメキ統計学
第1章 データの種類をたしかめよう
第2章 データ全体の雰囲気をつかもう!
<数量データ編>
第3章 データ全体の雰囲気をつかもう!
<カテゴリーデータ編>
第4章 基準値と偏差値
第5章 確率を求めよう!
第6章 2変数の関連を調べよう!
第7章 独立性の検定をマスターしよう!

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「原因と結果」の経済学
 統計学による因果推論の考え方を教えてくれる一冊です。テレビを見せると子供の学力が下がる…といった「思い込み」を乗り越える方法として因果推論について深堀りされていきます。
 統計学の本ですと「確率論」にまず触れてから…という流れの本が多いですが、こちらの書籍はデータをどう読み解くか、どの変数が統計的に効いているのかいないのか…といった切り口がメインです。統計学というより、実践的なデータ分析の知見を得たい…という方におすすめの一冊です!
おすすめ度
難易度
書籍名 「原因と結果」の経済学 ―データから真実を見抜く思考法
著者 中室 牧子、津川 友介
出版社 ダイヤモンド社
出版日 2017/2/17
ページ数 208ページ
目次 はじめに
第1章 根拠のない通説にだまされないために
第2章 メタボ健診を受けていれば長生きできるのか
第3章 男性医師は女性医師より優れているのか
第4章 認可保育所を増やせば母親は就業するのか
第5章 テレビを見せると子どもの学力は下がるのか
第6章 勉強ができる友人と付き合うと学力は上がるのか
第7章 偏差値の高い大学に行けば収入は上がるのか
第8章 ありもののデータを分析しやすい「回帰分析」
おわりに

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難しいことはわかりませんが、統計学について教えてください!
 数字や数式を最小限にして統計学について教えてくれる本です。数字や数式はスルーして統計学の感覚だけまずは解説しようと、ある意味かなり割り切って書かれています。
 統計学の本なのにあまりにも数式が出てこないせいか、Amazonのレビューは低めとなっていますが、数学アレルギーのある人でも読める貴重な本かと思います!(おそらく2~3時間で読めます!)
おすすめ度
難易度
書籍名 難しいことはわかりませんが、統計学について教えてください! 身近な疑問からはじめる統計入門
著者 小島 寛之
出版社 SBクリエイティブ
出版日 2019/10/4
ページ数 194ページ
目次 はじめに──「思い込みで判断しない考え方」が身につく、世界一やさしい入門書
第1章 平均値と標準偏差 「だいたい1分遅れて来るバス」はなぜ、あてにならないのか?
第2章 標準化 身長168cm、バスト94cmがすごい理由
第3章 正規分布 「100パーセント当たる予言」は可能なのか?
第4章 区間推定 サバを読むあの人の年齢は、本当はいくつなのか?
第5章 仮説検定 「集客率5パーセントアップ」は成功か? 失敗か?
第6章 相関係数 缶コーヒーは、CMがおもしろいと売れるのか?
第7章 回帰分析 「アカデミー賞を逃した作品」はなぜ、大ヒットしたのか?
おわりに

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図解・ベイズ統計「超」入門
 ベイズ統計の(超)入門ならこの1冊だと思います!前提となる確率の基本からオールカラーの豊富な図解とともに丁寧に解説されています。統計学の知識がまったくなくてもベイズの定理(+ベイズ統計学の導入)まで理解することができます。
 かなり丁寧に解説されていますので、少々冗長に感じられる部分もあるかもしれませんが、初めてベイズ統計を学ぼうという方に寄り添った内容となっています。
おすすめ度
難易度
書籍名 図解・ベイズ統計「超」入門 あいまいなデータから未来を予測する技術
著者 涌井 貞美
出版社 SBクリエイティブ
出版日 2013/12/17
ページ数 208ページ
目次 第1章 「ベイズ統計」ってなんだろう?
第2章 確率の「4つの基本」を押さえよう
第3章 「ベイズの定理」を理解しよう
第4章 「ベイズの定理」を応用しよう
第5章 「理由不十分の原則」と「ベイズ更新」を理解しよう
第6章 「ベイズ統計学」を理解しよう
第7章 正規分布データをベイズ統計で分析しよう

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統計学基礎レベルのおすすめ本

ここからは統計学の基礎レベルの書籍を紹介していきます。

基礎レベルということで大学の統計学の授業で使われているような教科書のような書籍が中心となります。

以下の書籍のうち1冊でもマスターできれば「統計学がわかる」状態になったといって大丈夫かと思います!

ただ統計学は基礎レベルといっても初学者にとっては少々難易度が高く感じられるかもしれません。

1度読んですべてを理解しようというのではなく、何度も繰り返し読み込んで理解を深めていくイメージで良いかと思います!

何度も読み込んで、自分にとっての「統計学のバイブル」と言えるような書籍をつくれると統計学に対する自信が深まります!

基本統計学 第4版
 統計学のオーソドックスな教科書といえば『基本統計学』でしょう。読みやすく、数式の展開も丁寧で、統計学全体に横たわる「確率論」の解説が手厚くなっています。
 このあと紹介する『心理統計学の基礎』に比べて「クセの少ない」解説で、迷ったら『基本統計学』を選んでおくのが無難かと思います!なかでも確率分布に関する説明はわかりやすさと手厚さを兼ね備えいます。その分、回帰分析のパートが少々あっさりしている印象です。
おすすめ度
難易度
書籍名 基本統計学 第4版
著者 宮川 公男
出版社 有斐閣
出版日 2015/3/30
ページ数 356ページ
目次 序 説
第1章 平均値と分散
第2章 度数分布
第3章 回帰と相関の分析
第4章 確 率
第5章 確率変数と確率分布
第6章 主な確率分布
第7章 標本分布
第8章 推 定
第9章 検 定
第10章 回帰の推測統計理論

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心理統計学の基礎
 個人的に一番好きな統計学の教科書です!心理学を念頭に置いた統計学の教科書ということもあって「文系的」な文章が統計学の教科書らしからぬ読みやすさを生んでいます。
 前述の『基本統計学』よりも扱う範囲が広く後半は分散分析や因子分析も取り扱っています。また、偏相関や重回帰モデルの解説が非常に手厚く、かなりの読み応えがあります(一方で確率分布については少なめ)。重回帰モデルを深く理解したい人にぜひおすすめの一冊です!
おすすめ度
難易度
書籍名 心理統計学の基礎―統合的理解のために
著者 南風原 朝和
出版社 有斐閣アルマ
出版日 2002/6/1
ページ数 394ページ
目次 第1章 心理学研究と統計
第2章 分布の記述的指標とその性質
第3章 相関関係の把握と回帰分析
第4章 確率モデルと標本分布
第5章 推定と検定の考え方
第6章 平均値差と連関に関する推測
第7章 線形モデルの基礎
第8章 偏相関と重回帰分析
第9章 実験デザインと分散分析
第10章 因子分析と共分散構造分析

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完全独習 統計学入門
 統計学の入門レベルの最初の難所であるt分布を用いた区間推定までに内容を絞り、難しさをなるべく排除した教科書です。
 推測統計学の入り口の部分と真摯に向き合って慎重かつ丁寧に解説されています。「教科書」としては物足りない部分もあるかもしれませんが、『基本統計学』や『心理統計学の基礎』が難しく感じるようでしたら、この『完全独習 統計学入門』をまずは読んでみることをおすすめします!
おすすめ度
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書籍名 完全独習 統計学入門
著者 小島 寛之
出版社 ダイヤモンド社
出版日 2006/9/28
ページ数 205ページ
目次 第1部 速習! 標準偏差から検定・区間推定まで
第2部 観測データから背後に広がる巨大な世界を推測する

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統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)
 最も「教科書的」な書籍で歴史も古く(初版は1991年)、他の教科書においても大いに参考にされている(であろう)教科書です。
 書きぶりは少々硬派な印象がありますが、ところどころにコラム?小ネタ?が挿入されていて、意外とそのコラムが記憶に残ったりします!笑
 とはいえ数式の証明も多く数学が苦手な方には少しとっつきづらいと思いますので、『基本統計学』などで物足りない人におすすめの1冊かと思います。
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書籍名 統計学入門 (基礎統計学Ⅰ)
著者 東京大学教養学部統計学教室
出版社 東京大学出版会
出版日 1991/7/9
ページ数 320ページ
目次 第1章 統計学の基礎
第2章 1次元のデータ
第3章 2次元のデータ
第4章 確率
第5章 確率変数
第6章 確率分布
第7章 多次元の確率分布
第8章 大数の法則と中心極限定理
第9章 標本分布
第10章 正規分布からの標本
第11章 推定
第12章 仮説検定
第13章 回帰分析

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統計学がわかる
 教科書というには軽めですが、ポイントを効果的に絞っていてとても読みやすい書籍です。かなりあっさりしていて「入門レベル」の書籍として手にとてみてもよいかもしれません。
 解説はあっさりしているのですが、後半では分散分析も取り扱ってくれています。ハンバーガーショップを題材としていて「問い」がわかりやすいのもありがたいですね!
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書籍名 統計学がわかる (ファーストブック)
著者 向後 千春、冨永 敦子
出版社 技術評論社
出版日 2007/9/7
ページ数 176ページ
目次 第1章 ポテトの長さは揃ってる?―平均と分散
第2章 ポテトの本数はどのくらい?―信頼区間
第3章 ライバル店と売り上げを比較―カイ2乗検定
第4章 どちらの商品がウケていますか?―t検定(対応なし)
第5章 もっと詳しく調べたい!―t検定(対応あり)
第6章 3つ目のライバル店現る―分散分析(1要因)
第7章 新メニューで差をつけろ―分散分析(2要因)

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統計学大百科事典
 手元においておいて損はない書籍です。統計学のトピックを発展的な内容も含めて網羅してくれています。文字通り百科事典的に利用できます。
 それから目次というか章立てもよく整理されています。統計学の書籍を読んでいると、「現在地」を見失うことが多いのですが、この百科事典を適宜確認することで統計学の全体像や自分が今どの分野の何を学習しているのかをイメージしやすくなると思います!
おすすめ度
難易度
書籍 統計学大百科事典 仕事で使う公式・定理・ルール113
著者 石井 俊全
出版社 翔泳社
出版日 2020/7/8
ページ数 328ページ
目次 Chapter 01 記述統計
Chapter 02 相関関係
Chapter 03 確率
Chapter 04 確率分布
Chapter 05 推定
Chapter 06 検定
Chapter 07 ノンパラメトリック検定
Chapter 08 回帰分析
Chapter 09 分散分析と多重比較法
Chapter 10 多変量解析
Chapter 11 ベイズ統計

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さいごに

上記でご紹介した書籍をすべて読むのは時間的にもなかなか難しいかと思います。

加えて基礎レベルだけでなく入門レベルの書籍であっても、1度読んだだけですべてを理解することは難しいです。

なのでおすすめは自分のなかでのお気に入りの1冊を選んでそれを徹底的に読み込む…というスタンスです。

自分にとっての統計学の拠り所・バイブルとなるような書籍を作れると学習効率がかなり高まると思います(バイブルにできるほどに読み込むのに時間がかかるのですが…(汗))。

ぜひご自身のお気に入りの統計学の書籍を見つけてください!

それでは!

統計学ベーシック講座【確率分布・推定・検定】

統計学の基礎を効率的に学べるベーシック講座です。統計学の入り口となる「確率分布・推定・検定」について豊富な図を用いて説明していきます。

2021年3月リリース後すでに20,000人以上の方に受講いただき大人気ベストセラーコースとなっています!ぜひこの機会に統計学や確率思考という一生モノのスキルを一緒に身につけましょう!

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